会社を辞めて起業したワケ

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なんで転職しなかったんですか?

今日お会いした方に、そう聞かれました。

会社の経営陣が変わり、中堅どころのマネージャ以上はすべてパワハラの対象といった社風になり若い人からどんどん辞めていった話をしたときのことです。

その方はまだ40代になったばかりでその前に数回転職経験もおありでした。確かに30代くらいであれば、転職も簡単にできることと思います。

人材採用の部署にいたこともあり、50歳前後の方の転職はいろいろと難しいことを実感していました。また、転職先でイチから人脈を作り、ルールを覚えといった環境では、現職の数倍苦労してようやく同じレベルのパフォーマンスにしかならないのではないかと思っていたこともあります。

が、考えてみれば起業するということは転職以上に新しい環境で、新しい苦労が待っているはずです。なんせ、「安定収入」というやつが無くなります。

なのに、なぜ私は転職ではなく起業の道を選んだんだろう。。。改めて考えてみました。

人生のキーワード「自己決定権」

ずいぶん前のことですが、長年お世話になっていた社内の健康相談室の先生に「あなたは会社員より起業のほうが向いているわよ。」と言われたことがありました。その時は「そんなものか。」と思った程度で、なぜだろうと考えることもしていませんでしたが、今思えばその言葉がいつも頭の片隅にあった気がします。

また、実は父も55歳で退職し、ひとりビジネスを立ち上げていました。当時はすごいとも、大変そうとも思っていませんでしたが、身近にそうしたモデルがあったことも事実です。

でも本気で探せば転職も出来たかもしれないのに、なんでわざわざ起業の道を選んだのか。いまだにちょっと不思議だったりもします。

なぜ起業だったのかーー「あなた商品化」の「なりたい自分と起業のネタ探し」セッションを受けている時、私はひとつの重要キーワード、つまり自分の中の重要な価値観を見つけることが出来ました。

このセッションでは「410問の振り返り」といったワークで自分の人生の棚卸をしたり、自分の価値観を洗い出したり、理想の未来をビジュアル化したり、こうした様々なワークで自分というものを見つめなおします。

そうしたワークを通じて浮かび上がってきた私の重要キーワードが、実は「自己決定権」だったのです。

「自己決定権」とは

簡単に言えば、自分の人生を自分で決める権利のことです。

例えば「稼ぐ力」。私は親の反対を押し切って一回り以上年上の男性と結婚しました。しかも彼は当時、リストラにあい仕事を失ったばかりでした。実はこの結婚をめぐって、親にも勘当されました。が、私には無職、年上といった条件は全く気にならなかったのです。なぜなら、自分が稼げばいいやと思っていたから。

もしその時、自分に仕事が無かったら、そんな選択をする余地はなかったと思います。お金は自分で稼げばいいと思っていたので、その時点での無職も年上も気になりませんでした。私はここでも、自分で稼ぐということを自分で選択し、結婚条件ではないところで結婚を決めていたのです。私にとっては「稼ぐ力」=「自己決定権」=「自由」なのかもしれません。

どんなに会社がしんどくても次がないから辞められない、離婚したくても稼ぎがないから別れられない‐‐‐そんな状態のどれだけ苦しいことか。これらは自分で「稼ぐ力」をつけることで回避できます。「稼ぐ力」があれば、自分の人生を自分で決め、進むことが出来ます。

自分で自分の人生を決められること、私にとってはとても重要なことであり、大切な価値観です。

会社員生活

20年以上も会社員をやってきました。楽しかったことも多く、またたくさんの素晴らしい方々にも出会うことが出来ました。ただ、会社員は上司や部下を選ぶことも、自分のキャリアを選ぶことも出来ません。少なくとも私が働いていた20年はそうでした。

やりがいがあった広報の仕事からも数年で異動。ここで頑張ろうと思った採用の仕事も1年3か月後に「あの部署つぶしてあういつら飛ばすから(飲み会で社長が言っていたそうです)」の一言で異動。置かれた場所で咲きなさいという言葉がありましたが、置かれた場所で楽しさとやりがいを見つけ、頑張れば頑張るほど目立ち、そして飛ばされる…そんな生活はつくづく嫌になってしまったのです。

自分のキャリアも自分で全く考えられない働き方…そんな働き方が私には耐えられなかったのです。

転職も出来たかもしれない。でも、会社員でいる限り、自分のキャリアを決め、自分ですべて決断していくことはできません。それを考えた時に、私の中から「転職」という文字が消えたのでした。

安定収入をとるか、自己決定権をとるか

「会社なんてATM。やりたいことは外でやって、お金だけもらえばいい。」こう励ましてくれた人もいました。その考え方もありだと思います。でも私には「働くこと」「人とつながって貢献してお金を頂くこと」はとても重要なことであり、その割り切り方はできませんでした。

逆に割り切れれば、もっとラクな人生になったのかも、と思ったりもします。でも単に「出来ない」のです。そうした働き方は、私にとって苦しいのです。

転職も含め会社員を続けるか、あるいは安定収入を捨てても自分で選択できる人生をとるか。「定期収入」か「自己決定」か。

私は自己決定をとり、会社員を辞めました。

これから

これからの人生、どんなことが待っているのかわかりません。

かつ、今でも時々「本当に辞めて良かったのか」と思うこともあります。

なぜ転職を選ばなかったのか…今回文字にしてみることで、今一度自分の心をのぞくことが出来ました。しんどいこともあるかもしれません。でも私にとっては人(誰か)や会社(何か)に依存せずに自分の足で立てる自分を作ることのほうが重要であり、そしてそれは実は究極の「安定」なのかも、と思ったりしています。

「職業=わたし」自分の名前で稼ぐ力をつけ、自分の人生を自由に選べる女性を増やしたい。やはり私にはこの仕事があっているような気がします。

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