私が受けている抗がん剤はTC療法と呼ばれるもので(ガンのタイプによって、抗がん剤の種類も異なります)、私の場合4クール、3か月と言われていました。
術後の抗がん剤治療は体内に散っているかもしれない微細なガン細胞を叩き、再発を予防するために行うものです。ガン細胞も叩きますが、健康な細胞にもダメージを与えます。
そのため一気に大量投与することは難しく、健康な細胞の回復が期待される(かつ、ガン細胞はまだ回復していない)だけの期間をあけ、4回投与、8回投与といった形での投与が行われます。
私の場合は1回投与するごとに3週間の間をあけ、計4回投与することになっていました。
4回投与のはずだったけど
以前のブログで、3回目の投与後にものすごい蕁麻疹と高熱が出て。。という話を書いたかと思います。
で、”主治医の先生に電話がつながらず、折り返しになり。。”というところまで書いたのですが、結局その時、主治医の先生の診察は受けられませんでした。
お電話は頂いたものの、「どうしても診察時間が取れないので、地元の皮膚科に行って抗アレルギー剤を出してもらってください」と言われてしまったのです。
幸い私はアトピー持ちで、長年お世話になっている皮膚科があります。先生は女医さんで、話しやすく、乳がんが見つかったことなども全部お話していました。その皮膚科に飛び込んで、抗アレルギー剤や外用薬を出してもらって蕁麻疹を乗り切りました。
でも蕁麻疹、本当にひどかった!
手も足も真っ赤になり、曲げると皮膚がひきつるくらい腫れてしまって。あまりにひどいので抗アレルギー剤も規定量の2倍を服用(もちろん皮膚科の先生に相談の上)しました。
で、あまりにひどかったので念のためその蕁麻疹の写真を撮っておき、4回目の投与前診察時に主治医に見せました。
その写真を見た先生は即決でした。「ここまでひどいと思わなかったです。4回目投与はもう危険なのでやめましょう」。
まじで?いや、抗がん剤はしんどいけど、4回やらないと意味ないんじゃ?
「もう3回投与はしているし、ホルモン治療もやるので抗がん剤はやめます。これ以上アレルギー出たら危ないので。」
まじか。
えー、でもそれで済むならもともと4回目やらなくてもいいってこと?うーん、モヤる。
まぁでも寿命伸ばすための治療で死んじゃったら意味ないし( ;∀;)
うーん。。。
モヤりつつも、「4回目の副作用はもっとひどいかも」と覚悟を決めていたのが、一気に脱力してしまいました。
そしてホルモン治療が始まった
私のガンは女性ホルモン(エストロゲン)に反応して増殖するタイプのものなので、乳がん細胞内のエストロゲン受容体にエストロゲンが結びつくのを邪魔したり、エストロゲン自体を減らしたりするクスリを飲みます。
これにより、ガン細胞の増殖を抑えるのだそうです。
この薬の服用期間はなんと10年。。。
過ぎてしまった10年はあっと言う間ですが、これからの10年は長い。
そしてさらに、女性ホルモンを作る卵巣機能を抑制する注射を数カ月おきに打ちます。これがまた2-5年だそうです。長い。。
経口のホルモン剤も、そして注射も、クスリなのでもちろん副作用ありです。抗がん剤ほど劇的なものはなさそうですが、それでも肝機能障害やら更年期障害の症状やらなんやかんや。
それを10年単位で。いやー、長いですね。。。
あわてず、あせらず、あきらめず
ガンには「完治」という言葉がありません。
どこかに潜んでいて10年後、20年後に出てくる可能性もあり、「完治」という言葉を使わず「寛解」という言葉を使います。
「ガンが完治した!」と思っていると、再発が分かったときの衝撃がハンパないそうです。すごく良く分かります。
なので、手術でガンを取りきっても、あるいは何らかの要因でガンが消えたように見えても、ガンとは一生付き合っていく覚悟が必要なのだそうです。
なので、ガン患者は「あわてず、あせらず、あきらめず」ガンとともに生きていく気持ちを持つ必要があると言われました。
医療の進歩は日進月歩なので、5年後、10年後には再発してももはやガンは怖い病気ではなくなっている可能性もあります。
その反面、もしかしたら3年後にはもうこの世にいない可能性もあります。(これは全ての人に当てはまりますが)
ガンになると、より深く「命」ということを考えます。
まぁ子供ももう大学生だし、子育というひと仕事も終わったし。今死んでも悔いはないかも。いや、でも自分のためにあるような幸せな仕事、働き方にめぐり合えた今、やっぱりまだ死にたくないなぁ。。
いつ死んでもよい覚悟を持って毎日を生きるって、なかなか難しい。凡人には遠い道のりです。
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